コンサート映画の傑作『ストップ・メイキング・センス』(1984)公開当時の衝撃が今再び!
期待を裏切る事なくデヴィッド・バーンに再び心を揺すられました。
ストップ...の時の幕開けはデヴッドの手に握られていたラジカセだったが今回はなんと彼の手の中にある"脳"から始まる。
"脳"は勿論考える臓器。ストップ...よりは考えるメッセージ性が強いのはやはりスパイク・リーと組んでいる故か或いはデヴッドが齢を重ねたからか。
一方で"脳"は感じる臓器でもある。音楽に身体を委ねて観たことがない意匠を凝らしたステージに目を奪われ、映画館のイスに居ながらにしてライブ空間を充分に体験しているように感覚器を刺激された。
デヴッドが冒頭に手にしていた私のココ(here)はフル回転し大満足の小一時間だった。
ロマンスグレーのデヴッドの髪の色に合わせたかのようなライトグレーのスーツの色やステージの色彩が流石だなと思う。約20m四方しかないスクエアでフラットで何も存在しないステージ。客席方向以外には一応縄暖簾のような遮蔽物があるのに全く狭さを感じさせないカメラとライティングとビートとダンスが見事で、画面からは想像力を掻き立てられる刺激が溢れて来る。
本作の製作当時のレイシズムを声高に叫んだトランプ政権に対する痛烈な批判。諦めずにあるべき姿(ユートピア)を求める姿勢には勇気づけられる。
今秋の衆議院総選挙には必ず投票に行かなきゃと私のココは思う。