miwan

アメリカン・ユートピアのmiwanのレビュー・感想・評価

アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)
4.5
映画館で觀てよかった。

デイヴィッド・バーンはもちろんよかったけれど、11人のミュージシャンたちがスゴイ。楽器を演奏して(特にパーカッションが好き)、歌って、踊って、フォーメーションを組んで、表現する。彼らのポテンシャルが半端ない。
ひとりひとりは自由に自分の世界を表現しているけれど、そこにはきちんと計算された隊列や動きがしっかりと基礎になっている。綿密に計算して下書きされた上に、フリーハンドで自由な線を描いているかのようだ。だから、自由を感じるけれど混乱はない。

でも、いくらプロフェッショナルとは言え、舞台であんなパフォーマンスをしてるのに息切れひとつしていないなんて人間じゃない! と思っていたら、彼らの体幹や背中に滲む汗が目に入り、断然ライヴ感とリアリティを感じた。

そして、政治的・社会的なメッセージは否応無しに伝わってくるけれど、決して押し付けてくるわけではなく、悲観にくれているわけでもなく、かと言ってむやみやたらに夢や希望を並べているわけでもない。
ただ、圧倒的なパワーが伝わってくる。
miwan

miwan