東京国際映画祭学生応援団

アメリカン・ユートピアの東京国際映画祭学生応援団のレビュー・感想・評価

アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)
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デイヴィッド・バーンとスパイク・リーがコラボした珠玉のライブ映画。
独特な世界観で構築された、まっすぐ観客に突き刺さってくるパフォーマンスは圧巻でした!

この映画を観るまで、デイヴィッド・バーンというアーティストを全く知らず、こんな音楽を作る人がいるのかと衝撃を受けました。

鑑賞後プロフィールを調べてみると、僕が大好きな映画『ラストエンペラー』(1988)の作曲を坂本龍一と一緒にしていたことを知り、もう一人いた作曲はこの人だったのかと驚きました。

全員グレーのスーツに裸足という格好をし、そこまで大きくもない四角い舞台の上(舞台装置なども一切ない)を自由自在に動き回りながら、演奏し、歌い、踊る姿はシンプルだからこそ強烈な印象を受けました。

ときおり映画の中にいる観客の歓声が聞こえてきますが、つい一緒に自分も歓声を上げてしまいそうになりました。自分も映画の中にいる観客の一人になったような気分だったのだと思います。

このようなライブやショーは、本来その場にいる観客のみが楽しめるもので、その日限りの瞬間性に魅力があると思います。

一方で、例えばこのライブのようにブロード・ウェイで公演しているような作品を見に行くというのは簡単にはいかないので、こういった舞台上の作品を映像化する試みは個人的にはもっとやって欲しいなと思っています。

そしてこの作品ではスパイク・リーが監督をやっているように、映像化されるにあたり、監督を中心とした映像化する側の人間の意図が少なからず盛り込まれるため、その場でライブを観るのとはまた違った作品になるという面白さもあるのかなと思います。

話が脱線しましたが、なかなかライブとかにも行けない状況の今だからこそ、映画館でライブを観るというのもいい機会だと思うので是非ご覧ください!

《鑑賞者:たくみ》