マツタヤ

アメリカン・ユートピアのマツタヤのレビュー・感想・評価

アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)
4.5
過去にライヴ映画も大ヒットしたバーンがスパイクリーと組んでブロードウェイのショーを映画化とかテンションめっちゃあがる要素てんこ盛りすぎ。

冒頭、舞台上からのショットで脳味噌がのったテーブルに座るバーンが登場、年取ってもカッコいいな!リンチもそうだけど年取ってむしろより思慮深そう?な渋い顔に真っ白な頭髪がビシッと決まってるというか。
さっそく歌が始まると流石のブロードウェイミュージカルなのかバーンの歌ってこんな上手かったっけ?みたいなミョーな感動が沸き起こってきてちょっと泣きそうになる。
イーノ時代の変態サンプリングやキュートなティナウェイマスも居なくてジャストトーキング、オンリーヘッズな舞台ではあるけどボーンアンダーパンチズやバーニングダウンザハウスといった往年の名曲が今回のバンド編成でアレンジされてんの聞けたのもまた感激やった!ストップメイキング〜や過去のバンドで見るとバーンの個性が突出しすぎてる印象やったけどこうしておじいちゃんになったバーンのブロードウェイで声張りながら歌うの見てるとトーキングヘッズの頃の効果的な音響デザインや視聴覚に訴えてくる音像が最高だったアート作品とは違った、コレはコレでバーン自身の最も影響の大きいワールドミュージックの要素を生演奏によってより映えさせるショーになっててそんな音楽にどっぷり浸かれる最高な映画やった。

途中のMCでデトロイトの高校生合唱部が歌ったエブリバディズカミングトゥマイハウスが、自身が歌う時の客に早く帰って欲しい皮肉めいた印象とはうってかわって誰でもウェルカムな内容に聴こえて羨ましいとかって言ってたのがめっちゃ気になってたけど、エンディングロールでそれがおもむろに流れてきて、それをバックにバーンがニューヨークの街並みを自転車で颯爽と駆け回る映像とマッチしてこれまた良かった🚲
マツタヤ

マツタヤ