【あまりにも拍子抜けな結末】
これまで数々のイーストウッド監督作品と出会い、その多くが素晴らしい作品でしたが、今作はかなり微妙でした。
何が微妙かというと、あまりにも拍子抜けな結末も含めて、とにかく脚本が雑でした。
私はこの映画を観ても、本当の強さの意味は分からないと思います🤔。
『グラン・トリノ』では、イーストウッド演じる老人の強さが垣間見えるシーンがいくつかありましたが、今作ではそれがあっても非常に薄いので、イーストウッド演じる元ロデオスターの強さが殆ど伝わってこないんですよ。
まあ御年90歳で、あそこまで主役を演じきって監督までやるのは凄いですけどね。
ロードームービーらしく、道中で色んなイベントが起きるのですが、そのほとんどが物語を大きく進めるわけでも、観る者の心に訴えかけるわけでもなく、急だし、雑だし、映画をちょっと盛り上げるために入れたものにしか思えないんですよね。
途中で、警察が検問しているからという理由で街に引き返すシーンがあるのですが、警察の目と鼻の先で引き返したのもすごく気なりました。
いや、そこで引き返したら余計怪しまれるでしょ!
そして警察も追ってこないんかい!
こういう脚本の荒さを感じるシーンが所々にあるので、映像や演技がいくら素晴らしくても、心に響かない……。
彼らを追いかけるギャングや警察という”敵”の存在も曖昧だし、追ってくるのはギャング一人だし、緊張感も殆どなかったです。
ダラダラとした旅の末に二人が選んだ結末にもガッカリです。
あれは少年が可哀想過ぎる……。
すごく期待していただけに、本当に残念。