トレンティン

クライ・マッチョのトレンティンのレビュー・感想・評価

クライ・マッチョ(2021年製作の映画)
2.7
クリント・イーストウッドが監督と主演などを務め、N・リチャード・ナッシュの小説を原作に描くヒューマンドラマ。

クリント・イーストウッドだから酷評はやめようみたいなムーブメントが薄らとある気がするが、きっぱりと言うと、主張は伝わってはくるが、ツッコミどころが多く、褒められる作品ではなかった。

「キャリアを終える」という言葉があるが、「キャリアを終えるなんてことはない」と言いたかったのだろう。しかし、ラストを楽園に行くと捉えると、全く逆の解釈になる。どちらとも取れる含みは素晴らしい。

また、男らしさ(マッチョ)とは、自ら選択し、大地のように喪失を受容する寛大さなのだと教えてくれる。

ツッコミどころとして、作品全体を包み込む非暴力感がなんとも心温まるのだが、かえってそれが気がかりな点を生んでいる。そもそもラフォの母親はなにがしたいのかわからないのが致命的。

映画好き以外におすすめはできないが、クリント・イーストウッドの状態を知るにはうってつけの作品だった。
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