さて…この映画の話をする前にここの皆さんに聞きたいことが…(笑)
「記憶潜入エージェント」という言葉から連想してあるシーンが鮮明に脳裏に蘇ったのです。
普通一部でも思い出せばそれがなんの映画が大抵思い出せるし、思い出せなくても今はネット検索という便利なツールがありますから大抵自分で突き止められます。
ところがこのワンシーンだけはなんの映画かどうしてもわからないのです。
そのシーンを書きます。
そこは凄惨な殺人現場…くの字に曲がった通路かバーの店内か?女性はその通路の奥で壁に背中を付けて足を伸ばして床に座り込んだ状態で絶命している。
主人公はどんな方法でかは思い出せないが死者の死ぬ直前の記憶に潜入することが出来る。
まるで彼女の目がカメラになったように主観視点でその薄暗い店内が見えてくる…殺人者が彼女に迫ってくる…銃を向けられおぞましいその瞬間!それは彼女が絶命する瞬間まで再現される!
その映像から犯人を追う映画だと思うのですが思い出せるのはこれだけ…鳥肌立つくらい恐ろしいシーンだった記憶だけ…
誰かわかる人がいたらなんの映画か教えてください!
そもそもこの記憶は正しいのかな?何かおかしいのかもしれない…でもどうしても殺されるその女性の面影がおれの脳裏から消えないのです…
「レミニセンス」
本来昨日観るつもりだったのだけど映画館に着くと吉田恵輔監督の「空白」が始まってて咄嗟にそっちを観ちゃった(笑)
そして予告編で期待が高まってたこの映画…観にいく前に評判などをチェックしてみるとどうやら「思ってた映画と違ってがっかり」的な評価がやたらと目につく…
それなら…と予告編の期待を全部取り去ってそのつもりで鑑賞…
結果なるほどね…これは予告も含めて売り込み方が酷すぎる!詐欺に近いよ。
そりゃ目先の客は呼べるかもしれないけどこの映画の評価を結果的に下げることになるし何よりこの映画の制作陣に失礼だ。
予告編での印象はクリストファー・ノーランの「インセプション」…脚本を担当したノーラン弟のジョナサン・ノーランが贈る…的な勢いじゃなかった?
舞台の水没都市は「インセプション」の何層が下に出てきた海の侵食で崩壊しつつある都市と酷似してるし…
この映画を観た人ならわかると思うけど水中のヒューの顔近くに銃弾が通っていくシーンとかピアノがいきなり床に水没するカットとか…予告で明らかなミスリードを誘ってる…酷いよね…
結果…クリストファー・ノーランは1ミリも関係なく、弟のジョナサンはプロデューサーの一人で監督・脚本をやってるのはリサ・ジョイ…彼女はジョナサンの嫁だ(笑)
「観たら想像していたのと全然違う」とがっかりされるのも無理はない。
これはあまりにも予告が酷すぎるって話…
SF感があまりないという意見もチラチラ見たが、ゴリゴリの近未来SF設定じゃないか!
詳しくは説明されないが「先の戦争」おそらく第三次世界大戦的な戦争の後、止められなかった「温暖化」が世界的な海面上昇を起こし、昼間は人が活動できないくらい暑くなってて人は完全に夜行性で活動している。
人類はもう未来に絶望していて人々は美しい思い出にすがって生きていくように過去の記憶に逃避しているのだった。
この設定は素晴らしかった!
戦争で尋問に使われていた人間の記憶をホログラム映像で再生させる「記憶再生装置」…退役軍人のヒュー・ジャックマンは戦後この装置を使って人々に美しい「記憶」を再体験させる商売をやってるわけだ。
「インセプション」というより「トータルリコール」っぽい感じ…
このSF設定を舞台に何をやりたかったかというと「ハードボイルド」…
かのチャンドラーとかの探偵ものみたいなことをやってるのだ。
レベッカ・ファーガソンはまさに「ファム・ファタール」運命の女とか破滅に導くと言われるハードボイルドに出てくる謎の美女…
SF設定とハード・ボイルドの組み合わせといえば「ブレード・ランナー」
ああいうことをやりたかったんだろうな…
しかし素晴らしい舞台設定に比べてハードボイルド的謎解きがちょっとスケールが小さくてバランスがよろしくなく…加えてアクション描写が決して上手くない監督なのだ。
ドラマ「ウエストワールド」でも雰囲気ばっかりでアクションシーンはイマイチだった…
ヒュー・ジャックマンは相変わらずセクシーだし(こんな声よかったっけ?)レベッカは本当に美しい(おれは大ファンなんだよ!)2人の恋愛に特化してもよかったのになんか不完全燃焼…
SF映画としてもアクション映画としてもハードボイルドも恋愛も何もかも今ひとつ…
惜しかった!(笑)
海水が入り込みビチャビチャの裏路地…
海面を走っているかのような電車…
長い橋のように見えるハイウェイ…
とにかく一体どうやって作り出したのか?水没都市の情景ばかりが素晴らしい「水で薄めたような」SF大作になってしまってました。
インセプション的な期待でいっぱいの映画ファンがガッカリするのも無理はない…予告編の罪は重いよ…
さて冒頭のおれの曖昧な記憶…「これは…あの映画だ!」と思った方は是非教えてください(笑)