5,6年前初めてアルタヴァスト・ペレシャン作品を観た。それは『終わり』конец という作品で参考資料として紹介されたもので、えらく感動し、こんな作り方があるのかと驚いたのを覚えている。アルタヴァスト・ペレシャンという名前もそのとき初めて知った。この『住人』もまた、とにかく映像も音も、ほかではみたことがない扱い方だなぁと思った。コントラストが強くときに殆どソラリゼーションのような、動物なんだけど像を像として判然とさせないような映像が並び、逃げ惑う動物の大群に銃声や不穏な音楽が合わさり蜃気楼のような人間らしきシルエットが見える。しかも終わったのかと思ったら最初と同じシーンが反復されたりして、とにかく先が読めない。
