まぁや

言葉にならないのまぁやのレビュー・感想・評価

言葉にならない(2020年製作の映画)
3.5
myFFF2021
運転する主人公。息づかいまで伝えるように、接近したカメラが密着する。
フロントガラスには「行動するか、死ぬか」と書かれた付箋が貼られている。一瞬メモを確かめて降車する。
一体何が起こるんだろう。。

自らの心の傷を克服するために、病室を訪れたアリス。彼女は両親にも伝えられなかった、重く苦しい秘密を心の奥にひっそり抱えている。最期を迎えようとする叔父にたいして、決死の覚悟で向き合おうとしている。

きっと心臓が飛び出しそうな程に緊張が最高潮に達しているに違いない。怖くて、悲しくて、やりきれない。誰にも分かち合えなかった苦しみ。
今、叔父と対峙しなければ、きっと死んだように生きていかなければいけないだろう。

(そんなのは嫌。わたしは、私自身をちゃんと受け入れて愛してあげたい。
だから、わたしは悪くないと言って、悪いのは自分だと罪を引き受けて!)

アリスはひとことも語らず、ベットに横たわる叔父のそばで、ひたすら号泣していたのだけど、彼女の心の叫びは病室中に響き渡るかのようだった。

秘密の綴られた日記を母親に手渡して、病院を後にするアリスの表情が印象的だった。
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