今まで観たどんな映画よりも胸糞が悪かった。
最後まであまりにも救いが無いと感じるけれどそれがドキュメンタリーでそれこそが現実。ノンフィクションの世界で救われなかった少女たちがたくさんいる。
この作品の映像に衝撃を受けるのは、もしかしたら男性の方が多いのかもしれない。
思春期をインターネットと共に過ごした世代の女性にとって、唐突に局部の写真を送りつけられたり、自身の写真を要求されたり、援助交際の誘いを受けたりすることなんて、ごくありふれた出来事だったから。
自分が世の男性にとって性的消費物であると実感する機会なんて、そこらじゅうに転がっていた。
日常のありとあらゆる場所に棲みついた性被害の温床に感覚は麻痺し、だが確実に精神はすり減り続ける。潜在的な男性への恐怖心と嫌悪感は刷り込まれ続ける。
それだけ現代のこどもたちは常に身の危険に晒されている。
そして、こんな反吐の出る社会を作り上げてきたのはわたしたち大人に他ならない。
どうかこの映画を気分が悪いという感想だけで終わらせないでほしい。
こうした現実に目を背け続けることは、直接的な加害者であるモザイクがけの「奴ら」に加担することと何ら変わりない。
希望に満ちた少女たちの人生を曇らせ、傷付ける権利なんて誰にも無いのだ。