ゆめちん

SNS-少女たちの10日間-のゆめちんのレビュー・感想・評価

SNS-少女たちの10日間-(2020年製作の映画)
3.5
SNS-少女たちの10日間
 
2019年のチェコ。巨大な撮影スタジオに作られた3つの子ども部屋で、外見が幼く見える成人女性の女優3人が、"12歳女子" という設定の下、SNSで友達を募集したら何が起こるかを検証したドキュメンタリー作品。
 
こういった "どっきり" のような手法には賛否両論あると思うが、綺麗事では済まされない深刻な事態になっていることを問題提起し、現代社会に蔓延する "悪" を炙り出してくれたことにまずは拍手。当然、性的搾取から子どもたちを救うことが優先されるべきで、正しい告発ドキュメンタリーだと思う。
 
彼女たちに連絡してきた男たちの数には正直驚いたが、おそらく氷山の一角でその深い闇を実感する。映画では12歳のふりをした成人女性でさえ、トラウマになっているように思え、これが本当の少女だったらと思うと胸が痛む。
 
冒頭、子供たちがスマホ画面に夢中で見入っている描写が続く。中には未就学児と思しき小さな子供まで歩きスマホをし、その前を歩く母親が子供を全く見ていない。生まれた時からインターネットが当たり前の子供たちから、パソコンやスマホを取り上げるのは難しい。であれば親はどうしたら子供を守ることができるのか、ネットの恐ろしさを子供に説き、自衛するしかないと思う。

チェコ警察が製作陣に素材の提供を求め、捜査に着手したのはせめてもの救い。本作が公開され、犯罪の抑止力になることを祈るばかり。
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