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SNS-少女たちの10日間-のKKMXのレビュー・感想・評価

SNS-少女たちの10日間-(2020年製作の映画)
4.0
 子どもに見える成人女性3人を12歳女児という設定でSNSに登録するとどうなるか…という社会実験のドキュメンタリー。女児役に群がったキモ男どもは2千人以上!ヤバすぎる。

 いやー、やり方に批判は出るでしょうが社会的に意義のデカい作品だったと思います。実際、本作の舞台であるチェコでは警察が介入してクズどもがそれなりの人数起訴されたり、文部省が性教育やオンライン環境に関する教育の改訂を考慮し始める等、社会にプラスの影響を与えたようです。本作みたいなセンセーショナルなドキュメンタリーは、テーマとなった社会問題に対する世論の注目度を上げて社会変革につなげることが期待できるし、おそらくそれが最大の目的だと思います。その意味では、チェコ国内では一定の成果を出したと思いました。いいボムを落としたと思いますよ。
 とはいえ、SNSで性的虐待問題が起きても広告収入の関係で見て見ぬふりをする企業が1番の問題です。結局ここにも新自由主義の弊害があるね。だんだん世論が形成されて、そのようなSNSサービスに広告を出す企業は社会的にペナルティが生じるような空気ができてくるといいと感じました。TVとかでもスキャンダルが起きればスポンサーが降りるわけだし、その辺が1番効くのではないかと思います。


 とにかく、女児役に群がる男たちの下劣さがハンパなかった!女児役のサポートに付いている学者が「彼らは性欲以外の人間性が抜け落ちている」という最強のパンチラインをかましてましたが、まさにその通り!彼らは皆、自分の性欲だけを押しつけて、コミュニケーションは一切しないというスタイル。そしてすぐに性器を見せつける。なので、女児役がずっと性的な攻撃に曝されている状態でした。これがガチの女児ならば、圧力に屈したり思考停止になってしまい性的な要求を飲んでしまう可能性は十分ありますね。マジでおぞましくて気持ち悪かったです。性欲がキモいだけでなく、人間性が抜け落ちた相手とオンラインとはいえ1対1でやりとりすること自体が危険過ぎると思いました。
 下劣男たちはペドフィリアではないとのこと。じゃあ何故女児を狙うのかというと、力がなく支配しやすいから、反撃される恐れが少ないからでしょう。この男たちの背景が気になり、いろいろ考えましたがずいぶん多様だろうなぁとの結論。満たされない輩が攻撃性を向けているのかと思いましたが、意外とマッチョイズムに支配されたリア充おじさんが気軽にストレス発散でやってる可能性も…だからこそヤバいと思いました。

 そもそも、女児役のオーディションに来た23人のうち19人が同様の体験をしていたという事実がそもそもヤバいので、社会による問題の認知と法的規制、規制しない企業への社会的なマイナス評価等が早急に定着してほしいところです。


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