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SNS-少女たちの10日間-のmgのレビュー・感想・評価

SNS-少女たちの10日間-(2020年製作の映画)
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緊急事態宣言に伴う映画館の休館により見逃してしまいそうだ…と落胆していたら、滑り込みセーフで配信の情報を知り、知人と踏ん張って鑑賞できた…!

手垢のついた文句ではあるけども、とにかくまずは観たらいい。とりわけ成人済みの者は観たらいい。誇張も嘘もない、「子どもだから」強いられ、晒される醜悪さの数々を映し出すドキュメンタリーだから。

刑罰の種類や性的同意年齢を筆頭に、国の地理、情勢、文化、言語、歴史、宗教、生活様式といった、あらゆる側面において本国、日本とはかけ離れた環境ではあるものの、「子どもを狙う性的搾取目的の虐待」は通底するものがあるだろうよ。その共通点は多すぎるくらいかもしれない。

編集内容は、タイトルの通り10日間に亘るもののはずだけど、その実かなり圧縮されているんだろうとも思う。カットなしの、まる10日間を受け止めた俳優たち、スタッフたち、またそこに係ったひとたちに敬意を示したい。


開始7分で、現実のさまを数字で、その内容の酷さで叩きつけられる。

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以下、印象的だったシーンを随時書き足す
⚠️ネタバレ注意





・オーディション形式で、12歳として演じきれる童顔の女性の俳優を募る。集まった23人のうち、19人が撮影の主旨となる「ネット上の性虐待」の被害経験を持っていた。その内容は、聞くに堪えない、しかしまごう事なき「現実」だ。

・“ミーシャ”自身の身体を写した写真(俳優の顔をはめた合成写真)を「言う通りにしなければばら撒くぞ」と脅迫し、挙句に捲し立てるように実行に移す“普通では満足できない”男が、いよいよ実際に“ミーシャ”と対峙、その写真の用途について怯えながら交渉するが態度は依然と強気で傲慢そのもの。
しかし、さいごに“ミーシャ”を演じる俳優が、その日までの男の現行、12歳の少女に対してしてきた仕打ちの数々を大きな声で非難する。それは犯罪で、そして何よりも許されるはずがない事だと。凄まれる男はみるみる萎縮し、言われるがまま、逆上する隙もなく、ジュースをぶっ掛けられて「仕方ない」と言い捨てる。
本映画に登場するいい歳した男たちは、少女たちを対等に扱うかのような言葉を選び囁きながらも、その圧倒的な力関係の不均衡を利用し、私欲のために子どもを搾取し使い捨てる方法を必死になって模索している。
だけど、いざ「弱い」と思いこんでいた立場から迫真のNOを突きつけられると、こんなにも情けなくなるもんか、と。
ただし、“ミーシャ”の反撃が叶ったのは、その場に護衛含むスタッフが周囲にいた、という環境が整っていたという担保は言わずもがな。
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