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Radium Girls(原題)のGreenTのレビュー・感想・評価

Radium Girls(原題)(2018年製作の映画)
2.0
『バビロン』よりよっぽど1920年代の雰囲気を伝えていました。

ベッシー(ジョーイ・キング)は姉のジョーとアメリカン・ラジウムという会社の工場で働いている。女子工たちは、腕時計の盤の数字に蛍光塗料を塗る仕事をしているのだが、ジョーが成績がいい(一日200個?)なのに対してベッシーは一日40個。なぜ遅いのかと言うと、ベッシーは教えられた通りに仕事をしていないから。

女子工たちは、ペイントを筆に付けた後舐めてから塗ると上手く塗れると教えられるが、ベッシーは舐めたときの後味が嫌いで、指で筆を整えてから塗っているので遅い。

しかし、成績のいいジョーはだんだん体調が悪くなってきて、歯が抜けてしまったり、顔が腫れたりする。アメリカン・ラジウムが手配してくれた医者は、ジョーは梅毒と診断する。ベッシーとジョーの長姉メアリーも、アメリカン・ラジウムで働いていて梅毒と診断され、数年前に亡くなっている。二人はアメリカン・ラジウムに対して訴訟を起こすことにするが・・・・。

オープニングに、ラジウムは体にいいと、「ラジウム入り飲料」を売るセールスマンが出てくる。日本でもむかーし、「ラジウム温泉」ってあったよね?あれって本当は危険だったの?ウィキっちゃった。そしたら未だに賛否両論らしい。

あんまり経験のない女性監督?って察しが付いちゃう作品でした。主人公は女の子で、彼女の恋愛や家庭環境も描き、また当時の社会的環境も描き、そして現代のポリコレで、友達は黒人の公民権運動の活動家とか、ドキュメンタリーを撮ってる黒人の若い女性とか?お約束通りでつまらないし、深みもなくて表面をさら~となぜただけ。これならドキュメンタリーを観た方が面白そうと思わせ、ドラマ化する意味がない。

冒頭で言及したように『バビロン』よりは時代感あった。やっぱ1920年代ってああいう髪型でああいう服装だよね?って思った。家の内装も、フリンジがたくさんついているランプのカサとか。

笑っちゃったのは裁判のシーンで、デップvs.ハード裁判を全部観た私は裁判のシーンになると「Hearsay!(伝聞)」って必ず異議申し立てしちゃう(笑)。だって、ベッシーが証言した内容が「死んだ姉のメアリーの遺品にあった日記に、Mr.リーチという現場監督がラジウムは危ないと警告したと書いてあった」って言うんだよ。これはMr.リーチが証言台に立たない限りHearsay です!(笑)

これ以外にもこの裁判のシーンはショボくて、やっぱこういうのはちゃんとリサーチしてコンサルタントみたいな人がいて脚本にしないとこうなるんだなって見本のようなシーンだった。しかしそうするとすごいお金かかるので、低予算映画では難しい。だからそういうの工夫して面白く見せて欲しいんだけど、そういう才能のある監督・脚本の人って言うのは一握りなんだよな、と思わされる。

ベッシーとジョーが相談する、なにあれ、労働者を守る団体?の女性ウィリーをカーラ・シーモアが演じていたのは「お!」って思ったけど。
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