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大怪獣ガメラの3104のレビュー・感想・評価

大怪獣ガメラ(1965年製作の映画)
3.0
東宝のゴジラに対抗すべく、大映が制作した怪獣映画。
同社初の特撮映画で、現場では試行錯誤の連続だったらしい。
が、特撮パートを観る限りはそういった跡は見受けられない。
むしろ初めてなのになかなかの迫力ではなかろうか(「回転して飛ぶ亀」という発想が見事)。

しかし問題はドラマパートである。どうにも緊張感がない。
確かに昭和の特撮作品には(それこそ“本家”ゴジラシリーズのいくつかの作品においても)緊張感があまりない描写、ゆるい展開のものがいくつもある。それを差し引いても今作はどうにもドラマが弱い。必然性、説得力に欠ける箇所の多さがどうしても目立ってしまう。

第3作以降は「子供の味方」であることを明確に打ち出すガメラ(ちなみに第2作「大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン」には子供が1人も出てこない。結果的に異色作にしてシリーズ最高傑作)。第1作の今作でも子供が登場して物語の中枢に入り込もうとするが、残念ながら上手く機能しているとは言い難い。映画全体の足を引っ張っている。
他の「大人」達の動きやガメラへの対応もこれまたいい加減。物語の「追い込み方」が圧倒的に不足している。大映映画のテンポの速さがここでは災いしたとも。

主人公の教授役に何でも演じる船越英二。彼である必然性はあったかどうか。バカガキを心配する姉さん役に姿美千子さん。相変わらず清楚でかわいらしい。
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