イチロヲ

大怪獣ガメラのイチロヲのレビュー・感想・評価

大怪獣ガメラ(1965年製作の映画)
4.0
北極に投下された核弾頭の影響により、アトランチス大陸に眠っていた大怪獣ガメラが復活を遂げる。東宝「ゴジラ」に対抗すべく製作された、大映の特撮怪獣シリーズ第1弾。

「怪獣映画を作ったところで、どうせコケるに違いない」という、大映の退廃ムードを覆した作品。筆者が子供の時分には、ゴジラとガメラを同時間帯にテレビ放映するという、非常にエグいやり方で視聴率争いが繰り広げられていた。

シナリオは「子供に優しい怪獣が、大人の都合で虐げられてしまう」という典型パターン。あらゆる面でゴジラとの差別化が図られているが、「巨大な亀が炎を吹き出しながらUFOのように飛来する」という、映画史に残されるべき奇想が大きな魅力となっている。

東京を舞台にした破壊描写を景気よくやってくれるし、スーツアクターの奮闘ぶりにも、得も言われぬ感動を覚える。建物内で逃げ惑っている人々を影絵で表現する効果が、あまりにも面白い。
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