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大怪獣ガメラのHKのレビュー・感想・評価

大怪獣ガメラ(1965年製作の映画)
3.5
東宝の「ゴジラ」の人気を得て、各映画会社が大量に産出した怪獣映画のなかでも唯一残った大映製作の怪獣映画。監督は「幸せなら手をたたこう」などの湯浅憲明。主演は船越英二。

北極で戦闘機がドンパチしたあげく、墜落したせいでそこで眠っていた亀の怪獣ガメラが目を覚ます。一方その頃北海道には亀の大好きな少年の俊夫くんがいた。ガメラは北海道に上陸し一帯を襲うが逃げ遅れた俊夫君を助け立ち去る。主人公の日高教授の指示に従い自衛隊が様々な対策を仕掛けるがガメラはそれを一蹴。連邦閣議の結果、最後の手段「Zプラン」の施行を決定。果たして作戦は上手く行くのか。

今じゃ、東宝のゴジラと匹敵するほどのブランドになったガメラの記念すべき第一作ですね。「大群生ネズラ」も見てみたかったんですけどね。

俊夫君は行動力があるとはいえ、ちょっとばかりはた迷惑だったね。なんというかガメラに近づいて逃げろって言いたかったんだろうけど、ちょっと周りの大人の人に迷惑かけすぎ。列車のおじちゃん死んだらどうすんじゃい。

まあ、物語としては、作戦実行→失敗→さらなる策→失敗→最終手段→成功という怪獣映画としては一番の王道パターン。人類対怪獣の構図を見事に描き切っていてとても良かったと思います。

ゴジラとかはもうちょっと怪物として描いているのに対し、こっちはどちらかというと「生物」的なアプローチが良く出ていましたね。ひっくり返ったときに「亀だから起き上がれない。このまま飢え死にするのを待とう。」というなど、亀という生き物として描いていますね。

ここから、ガメラは「炎が大好き」など人間の作ったエネルギーを食糧にしているなど、鯨を食べていたゴジラに対して差別化を行っていたともいえる。ある程度真面目ながらも、子供の存在を出すことによって、後の時代子供向けにシフトチェンジしやすくしたのも良かったのではないか。

しかし、この頃のガメラは普通に人間の敵というか有害というか、普通にビルぶっ壊して人を蹂躙して殺してますからね。バーのいきった若者を踏みつぶすようなシーンはざまあみろって思いました。

ここから「ガメラは子供の見方」という風になる過程をシリーズを追って見てみたいですね。
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