こたつむり

人肉村のこたつむりのレビュー・感想・評価

人肉村(2020年製作の映画)
2.7
♪ 湧き出る叫びはなんだ なんとかならんか
  振り切る不条理なんだ なんとかならんか

いわゆる『悪魔のいけにえ』系ですね。
地方に行って道に迷ったり、ガソリンが枯渇したり、車が故障したら巻き込まれるタイプの映画。というか、向こうでは日常茶飯事的な展開なんでしょうね。アメリカ怖い。

あ、でも、タイトルには「偽りあり」。
登場人物は全部で8人。襲われる側が4人で、襲う側が4人。まるで驚邏大四凶殺のような人数ですが、男塾とは関係ありません。ここで言いたいのは登場人物の少なさです。

つまり“村”じゃあないんです。
集落とも言えません。個人宅です。言うならば『人肉家族』とか『人肉ファミリー』とか『人肉兄弟~そして僕は途方に暮れる』みたいな感じです。

しかも、主人公たちにも魅力がありません。
他の映画で言えば、冒頭15分以内に命を落とすタイプのカップルが二組。隙があれば発情しちゃうアレです。少しだけ捻りはありますけど、結局はアレです。大自然でワンダフォーです。

だからねえ。
共感できないんですよねえ。

これはホラー映画としては致命的。
音楽とか、カット割りとか、血糊とか地方の寂れた小屋とか、色々と頑張ってはいるものの既視感満載なので創造的な何かを生み出せていません。何かが足りないのです。

しかも、お色気は圧倒的に足りません。
というか、そもそも素材が…げふんげふん。もうちょっと愛嬌があった方が…げふんげふん。ウフンなアハンがイヤンでバカンはチラリズムが前提…げふんげふん。

まあ、そんなわけで。
タイトルはショッキングですが、それに期待すると肩が下がる作品。製作陣は真面目に作ったと思いますので、その真面目さを評価するのが一番。雰囲気はありますのでね。もしかしたら、ホラー初心者ならば「うげぇ」となるのかな。それこそ僕も『悪魔のいけにえ』を知らなければ「ぺげぇ」とか言ったのかも。たぶん。
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