ミシンそば

明日への地図を探してのミシンそばのレビュー・感想・評価

明日への地図を探して(2020年製作の映画)
3.8
原題は“小さな奇跡への地図”みたいな意味で、そこから“明日への地図を探して”、この邦題につなげるのは正直言って洒落てるな、と思った。

よくあるタイムリープものを、ティーンの男女の一日に落とし込んだもの。
劇的な展開はほとんど起こらず、また自分に向けて作られた作品でないと一目でわかる内容。繰り返すがゆえの無敵さの中で見せつけられる青春の1ページは、一応イケていない設定らしいマークとマーガレットの画になる二人の一日を通して見せられる。

でもこの作品が言いたいのはそこじゃなくて、今日を乗り越えて明日へと向き合うことなのだと思う。
マークも、マーガレットも、明日だけじゃないあらゆる要素に向き合って、先に進む決心を固める。
向き合う対象は、観ているこちらにとってはあまり心に伸し掛かり過ぎない重さだが、決して軽くもない。
とてもいい塩梅だ。

個人的に、心の靄を晴らす気持ちのいい雨が降る映画は、みんな名作だと思う。