中庭

ピノキオの中庭のネタバレレビュー・内容・結末

ピノキオ(2022年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

いずれ必ずスクリーンで見ることを約束された画面の暗さ、ひたすら続く夜のシークェンス。ジミニーのぼろ切れのマントの裾についた小さな火が、頼りなげに画面へ軌道を焼き付ける。
子供たちがあらゆる反抗期→大人の堕落やヘイトの醜さを体現するブースを周遊させられる一連のくだりは全くありふれていない最強の狂気。『魔女がいっぱい』の集団ヒステリーに勝るとも劣らず。ネズミは人間に戻れなかったが、ピノキオは膝裏から可視、不可視の合間をぬって人間化したようにも見えなくもなかったが、その場ではっきりとエピローグが語られない方針が素晴らしい。
ルートビア野郎が踊り狂う子供らをバックに誘いをかけてきた2回目、画面奥から迫る蓋閉じ?の連なりが結局背景を真っ暗にしてしまうが、ここの視覚的な正解を説明することなど不可能。余韻もばっさり。105分程度。今年一番の怪作と断言したい。
冒頭の、ゼペットが唱う詩の全てが心揺さぶる。あとは想像以上に怖いシークェンスが続く。ジミニー、ピノキオ、子供の視点でカメラは地を這うように移動する。
ゼメキス印の稲妻は、ゼペットがピノキオを探しに学校まで歩いて来たとき辺り。
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