shimalucky

AGANAI 地下鉄サリン事件と私のshimaluckyのレビュー・感想・評価

4.5
地下鉄サリン事件の直接の被害者であるさかはら監督とオウム広報担当の新井浩氏との対話をじっくりと追ったドキュメンタリー。
当事者としての感情をじっくり抑えて、荒木氏の気持ちを聞き続ける。二人とも同世代で京大出身、現地ですれ違った事もあったかもしれない。二人で彼の故郷、母校へ向かう。
「ご両親に会ってください。今夜は自宅で寝てください。」
そして監督の両親に会ってもらう。
まるで荒木氏への公開懺悔のようだ。
それでも荒木氏は謝らない。あえて第三者として話す。本人が実際に事件の実行犯ではない分、心の逃げ道があるから信者のままでいられる。
クライマックスは辛辣だ。二人で献花しに行き、マスコミに揉みくちゃにされる。マスコミ達は単なるトクダネをむさぶるケモノのようだ。世の中の汚いヘドロのようなモノが具象化されている。まるで鏡で自分を見せられたようだ。抑えに抑えた映画のワンシーン、コントラストでインパクトがあった。
shimalucky

shimalucky