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AGANAI 地下鉄サリン事件と私の猫のレビュー・感想・評価

3.9
とても面白かった、というとダメか。interesting の意味です。
『A』の荒木君が荒木さんになっていて
彼のその後を映してもらえただけでも非常にinteresting だった。
所々聞こえにくい箇所があって、なんなら全て日本語字幕つけて欲しかった。
荒木さんは相変わらず
優しく理知的で、いい人だった。広報担当だからなのか、
よく、又、撮影を許可したな、と思いつつ
やっぱり誠実な人なんだろうな、と思った。
映画観たみんな思うと思うよ、何でまだ麻原を師としてるの?って。
監督の結婚に関する話は分からないけれど
監督がサリン事件の被害者だったから、の撮影引受けだろう。
荒木さん自身、被害にあった人と、向き合うべき=そうするのが務め
と思ったんだろうな。

「出家」について。
したから即、そうなるのではなく
そうしていく=世俗を絶ちきる 事

でも監督に指摘されたように、荒木さんはまだまだ「出家」途中。心の中の思い出はフワッと出てくる、、、
故郷の風景をみて何度も涙を流す。
お祖母ちゃんの話、弟さんの話
優しすぎる人のように思えた。
彼と対面しながら監督は半ば
何とかして荒木さんを麻原の影から連れ出したいんじゃないかな、と思ったりした。私も半分そうなるといいな、と思った。でもその反面
荒木さんは、あんな事件を起こした
からこそ
もう世俗に戻ってはいけない、戻れない、自分に許されるのは
厳しい修行の中なんだ、と思っているような気もした。

監督は、自分と自分の両親に会わせる。そこである言葉(態度)を待っている(と思う)出てこないその言葉に対して
“何か言うことあるでしょ”と促す。私も待っていた言葉……

そうして献花と記者会見へつながる。

荒木さんはどうしているのだろう?
沢山の人をあやめ、苦しめた
自分の宗教団体に対し
どう思っているのだろう?
事件に関し“一番わかっている人=教祖が説明していない“と。
それが彼の言い訳。
教祖の死んだ今、荒木さん
どう思ってますか?
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