mrかっちゃん

ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカットのmrかっちゃんのレビュー・感想・評価

5.0
このバージョンが劇場公開されていれば、DCEUの未来は変わっていたのだろうという残念な気持ちとスナイダー監督が「劇場公開版が正史ですよ」と発言しているのでスナイダーカットで登場した伏線は恐らく未回収に終わるのだと思います。
また劇場公開版のウェドン版はアベンジャーズの二番煎じ感と編集の悪さ、ワーナー陣営のmarvelの勢いに勇み足をしてしまった事が明らかな不完全燃焼感を出してしまったのだと今作を観て感じた。

ストーリーの大まかな進行は2バージョンとも同じですが、4時間の尺の中で描ききれなかった各キャラクターの深掘りとウェドン版で使用された素材は一切使用してない徹底によりスナイダー監督の頭の中がそのまま映像化されている別物であり、まさしく完成形。そして究極ファンへの愛が詰まった作品になっていた。
各キャラクターの個人の見せ場も追加されており改めてスーパーマンがチート級のパワーを持っていることに思わず笑ってしまった。

なりよりフラッシュとサイボーグのキャラクターへの掘り下げはより強化されており理解度は全く異なります。
フラッシュはウェドン版でも好きなキャラクターでしたが、サイボーグに関しては異質なキャラクターだなとしか思えなかったのに対して今作はサイボーグのオリジンの側面も果たしているので彼がほぼ主人公と言っても過言では無い。
こんなにも悲しい運命を辿ったキャラクターだとは知らなかった。
ロボコップじゃ無いか。

フラッシュもスパイダーマン的な新人ヒーローの立ち位置は変わりませんが、彼の真の能力が明らかになるシーンは丁寧に積み上げられて演出されているので鳥肌が立った。
単独作も用意されているようなので期待しかありません。

劇場公開版とは大前提として制作状態の条件が全く違いますし、尺も2倍になっているので比べるのはフェアではないと思いますが、明らかに今作の方が素晴らしい出来栄えです。
制作中にスナイダー監督は娘さんの自殺による精神的な疲労とスタジオとの様々なやりとりが重なり降板してしまいましが、こうして思い描いた通りのビジョンが公開されたことに感謝しています。
もしDCEUの作品に携わる事が有ればまたよろしくお願いします。
スナイダー監督。