カミワザ

モキシー ~私たちのムーブメント~のカミワザのレビュー・感想・評価

4.2
ジェニファー・マチューの小説『Moxie』を基にした、まさにタイムリーな差別問題を扱ったティーンムービー。

日頃男子から受ける肌色の差別や、女子への性的な格付け。
そんな学校生活にうんざりしていた内気な女子学生が、強気な黒人転校生に感化され、匿名で抗議のミニ雑誌「モキシー」を作る。
これは彼女の小さな抵抗であったが、次第に他の女子にも共感が広がり「モキシー」の力が強くなっていく・・・

これこそ、東京オリンピック組織委員会発言で男尊女卑と非難された、日本社会に向けられたメッセージか?と思われるタイミングであった。
てなわけで今作、一番に森喜朗氏へ強くおすすめ(笑)

っと書きながらも、女性の行動力と団結を若々しくエネルギッシュに描かれていて実に見ごたえがあった。
主人公ヴィヴィアンが単に差別的な男子をやっつけるといった内容ではなく、大人の常識とされるルールが弊害となり、若さで突っ走るだけでは解決できないといった苦悩も上手く描かれている。
結末まで心揺さぶる演出が巧みに施されているので、特に女性ならヴィヴィアンの気持ちに刺さるはず。

さらに『ブック・スマート』でも出演してた、鈴木福君似!?見た目三枚目(失礼)なニコ・ヒラガ。
その彼が演じた”セス”の男前な振る舞いに、主人公のヴィヴィアンもコロっとやられちゃう訳なんですが、こんなさりげない優しさをサラっとやる男を久しぶりに見たよ。
男目線ではヴィヴィアンの幼馴染を演じたローレン・サイの美しさにうっとり。そしてシュワちゃんの息子はぶん殴りたい(笑)

そんな若いキャスト達が好演し魅せてくれた青春ドラマ。
これから何か行動を起こしたい貴方の背中を押してくれるような、そんなこの春の季節にピッタリな作品だと思います。
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