むずむずと厭な感じが付きまとい続けて、スッキリとはならないこの映画。面白かった!
お気の毒になんて同情で許可を出す裁判長の元、いとも簡単に高齢者の法定後見人になるマーラ。制度も裁判所も手玉にとって、合法的に資産を根こそぎ奪い取っていくマーラのまあ強欲なこと。法律を盾に自分の欲望を忠実に叶えているマーラのネバーギブアップ精神もまた眼を見張るものがあって、凄かった。あの不屈さ、「私に負けはない」って言い放つはずだ。
そのマーラのパートナーであるフランも何気に凄かったなぁ。マーラに引っ張られてる部分はあったとはいえ、ふたりとも強気で度胸がありすぎた。そんなふたりに対峙するには脇が甘かったなと思う。弁の立つマーラに脅し1択はさすがに策が無さすぎたと思うし、なぜちゃんと最期を確認しないのか。もう水から出るマーラはちょっとホラーだったよ(笑)
序盤のマーラの言葉を思い出しながら、今回は相手が悪かったなぁと、皮肉がたっぷり込められたようなラストを観ながら思った。
法定後見人をテーマにしながら社会派ではないエンタメ作品になっていて、期待通りの面白さだった。
#147_2021