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パーフェクト・ケアのmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

パーフェクト・ケア(2020年製作の映画)
3.8
ロザムンド・パイクが高齢者の資産を騙し取る悪徳後見人を演じた犯罪映画。
監督はJ・ブレイクソン。
原題: I Care a Lot (2020)

法定後見人として裁判所の信頼を得ているマーラ・グレイソン( ロザムンド・パイク)は、医師や介護施設と結託して金持ちの高齢者たちを要介護者に仕立て強制的に施設に送り込み財産を奪い取っていた。
優良な獲物であった老人が死亡し空きが出来たと施設から連絡を受けたマーラは、大金持ちで身寄りのない老女( ダイアン・ウィースト)に狙いを定め、いつもどおり偽の診断書で裁判所の許可を得て施設に送り込み、家も家財も売り払う。
しかしその女性は凶悪なロシアン・マフィア(ピーター・ディンクレイジ)と繋がりがあった…。

"保険をかけていないダイヤ"

~その他の登場人物~
・マーラのパートナー(エイザ・ゴンザレス)
・マフィアの弁護士(クリス・メッシーナ)
・マフィアの手下( ニコラス・ローガン)
・マーラと結託している医師( アリシア・ウィット)
・施設から面会拒否された男(メイコン・ブレア)

「人間は2種類に分けられる。奪う者と奪われる者。捕食者と捕食される者。ライオンと子羊。私は、雌ライオンよ」

「よく聞いて、私に"負け"はないの」

「ルールを破ったのはそっち。私を潰したいなら、正々堂々と法廷で打ち負かしなさい。銃や殺し屋を使わずに」

「この国で成功するには、勇敢で愚かで残酷じゃなきぁ。フェアプレイじぁ何も手に入らない」

「信頼ってやつは、金の後からついてくる」

巧みな脚本とストーリー展開。
ロザムンド・パイクは、アメリカン・ドリームを体現する肝の座った悪女マーラを好演。
マーラは(表向き)合法的悪で、マフィアは非合法的悪だが、共に悪であることに変わりはなく反社会的。
この二人の対決の展開と結末は見てのお楽しみ。
現代社会の主要勢力は、程度の差はあれ、主人公のような人たちだろう。
娯楽性を持たせながら、アメリカン・ドリームの名のもとに、ますます拡大する弱肉強食の社会を批判をしている。
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