猫脳髄

フレンチ・イグジット さよならは言わずにの猫脳髄のレビュー・感想・評価

3.8
これはミシェル・ファイファーの独壇場なファンタジー・コメディ。ウディ・アレン的なテーマをジム・ジャームッシュ風にオフビートにこなしたと言えば伝わるか。

遺産を使い果たすまで浪費したファイファーが窮地を凌ぐために息子のルーカス・ヘッジズと猫のスモール・フランクを連れてパリに出奔する。パリでも浪費を重ねるファイファーだったが、実は息子との間に共有したある秘密を抱えていた…と言う筋書き。

金遣いは派手だが厭人的な親子のまわりに、パリで出会った様ざまな人びとが集まりだし、2人の関係性も少しずつ変わってくる。ファンタジー的側面は抑制的で人間関係を前景化させる手段に過ぎない。子どもだましにならないビタースウィートな基調が好もしい。
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