スコセッシフォールド全開

14歳の栞のスコセッシフォールド全開のレビュー・感想・評価

14歳の栞(2021年製作の映画)
4.5
ペン回しからバレンタイン貰えるの貰えないの?のドキドキ感まで隅から隅まで全てが懐かしかった。同級生に重ねながら見てた。中学時代が恋しい。この作品の主人公が自分たちなら〜、すごくいい思い出になっていただろうなぁ、と。喪失感でいっぱいになった2時間だった。ずっと見てられる。笑ったし泣いた。
僕の中学の同級生は100人程度しかいなかったが、それでも話したことないやつ、今顔を思い出せないやつはいる。"ただのクラスメイト"という認識でいた彼らにも思いや悩み、人生があったと考えると感慨深い。実際そうだから面白い。
中学2年生という中途半端な時期。思春期特有の感じ。ワイワイしている人もいれば静かめな人もいる。でも家では結構喋る人も。本当に十人十色。大勢が言語化できない悩みを持ち、インタビューでそれとなく吐露してくれる。ずっと頷きながら見ていた。
演出が素晴らしい。A→B→Cの順序で進める中でAで見たシーンにBやCがいる、という見せ方。わかりやすく関係性を説明してくれる。仲が良いだけでなく、すれ違いみたいなものも見してくれる。気持ちいい布石。

これを大学生が見て余韻に浸っていることは悲しいことなのでは。現状に満足できていないのでは、と思ったりした。