まさ

14歳の栞のまさのレビュー・感想・評価

14歳の栞(2021年製作の映画)
3.6
実在するというかホントの中学2年生のクラスとその一人一人を追いかけたドキュメンタリー映画。特別いいクラスでもなく、悪いクラスでもなく、不登校の子もいて、そのまま追いかけて取り上げていてリアルさがある。こういう風にしてクラスの子たちを見ると、いろんな面々がいる。日々の生活に楽しさを感じている者、退屈がっている者、夢や希望に溢れている者、諦めている者、自分の道に打ち込んでいる者、流されるままにとりあえず進んでいる者、スポーツに打ち込む者、恋愛に走る者、進むべき道を見つけられない者。そして同い年の頃の自分に思いを馳せる。俺もあの頃の俺なりに色々考えて、ぶつかっていたように思う。そして改めて彼らに、今を必死に生きている一生懸命さと、これからの無限の可能性の大きさを感じさせる。そんな彼らにちょっと前に進む力をもらえたような気がする。そのお返しに、彼らみんなに、
そのまま前に進んでも大丈夫だよと言ってあげたくなる。ここまでリアルに中学生を間近に追いかけるには、相当の準備と苦労があったように思う。そして本作の前後に呼び掛けるアナウンスや、配信作品にはしないなどの慎重な取扱い方などに、作り手の細やかな配意も感じられる。その丁寧な配意がこの作品が帯びる暖かさにつながっているように思う。14歳を過ごした全ての人たちに是非楽しんでもらいたい。
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