人類初、永遠の命を得た女性の物語。
劇中、主人公たちが開発した不老不死の技術の会見で、記者の「死があるからこそ人生は意味があるのでは?」という問いかけに彼女は「それは死しか選ぶことができなかった旧人類のプロパガンダです」と応える。
政治、経済、宗教、倫理、時間と空間、子孫を遺すということ。すべてが永遠すら越えて世界が変容していく。全編が思索的であり、エキサイティング。
そして大傑作『蜜蜂と遠雷』で魅せてくれた石川慶監督の日本映画離れしたビジュアルセンス。
それから約100年後、135歳になった主人公に、若い姿のままの娘が先ほどのような質問を再び問う。その問いに彼女はなんと応えるのか。
しみじみと泣ける映画。