鴨橋立

Arc アークの鴨橋立のネタバレレビュー・内容・結末

Arc アーク(2021年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

石川慶監督の最新作、ハイクオリティ日本型SF、一個一個の画でハッとさせられる。

例えばSFと言いつつどことなくアナログな質感を残した工房のような施設や

そこで行われる舞と操り人形を組み合わせたような装置で死体を永久保存するというプラスティネーション。

プラスティネーションと不老不死、若干前半と後半で違う話な印象もあるけど実はどちらも命についての人間の抗いの話で、

死んでも美しく残るプラスティネーションとそもそも死なないという不老不死、

どちらも命が消えることのマイナス面とそれに抗う姿を描いている、やっぱり命についての物語なのか。

オリジナリティ溢れる画とそこから生まれる世界観は本当に見てて楽しい。

もっと踏み込んで考えると人間は歳をとらなくなると進化や進歩、考え方すらもほぼほぼ変わらなくなるのかも、

結局死というタイムリミットがあるから人間は、生き物はより良くなろうと成長するんだという気がする。

人類という種として考えると細胞が新陳代謝しなくなって成長も見込めず、なんなら心がダメになって自殺しまくってるならそれって結構深刻な病だとも思う。

例え個人が永久に生きられたとしても。。

まあそんなこと考えるくらいには説得力のある映画でしたとさ。。

あ、でも冒頭のダンス大会みたいなのはしょぼい「CLIMAX」みたいでギリギリしょっぱい感じだった。。。
鴨橋立

鴨橋立