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モンタナの目撃者のwakiのレビュー・感想・評価

モンタナの目撃者(2021年製作の映画)
4.5
評判良かったので期待して見に行ったけどめちゃくちゃ良作だった。
暗殺者と山火事、迫り来る二つの脅威から逃げるスリルが臨場感にあふれていて、暴力的な表現もさすがテイラー・シェリダンだなぁという上手さ。
炎が山を焼き尽くすシーンは残酷でありながら恐ろしいほどに美しくもあって(それは火災に対するトラウマがないからだろうが)、映画館のスクリーンで見て良かったと心の底から思いました。
主人公のハンナが保護したコナーに対して過度に干渉せず、終始プロの消防士として対応していたのが好印象だった。劇中の最後、「僕はこれからどうなるの?」と聞くコナーにハンナが肩を抱いて「一緒に考えましょう」とだけ言うの。他人である大人ができる最大限の優しさではないだろうか。
あと、アリソンが妊婦なのに誰よりも強くて私は心の中で「うわ〜〜!」と喜んでしまった。
妊婦ってフィクションの世界でもこういう危機的状況では弱みにされるし、さもすれば「冷蔵庫の女」にされるけど、アリソンは「そんなん夫の命の方が大切に決まってんだろッ!!」とばかりに鹿用の狩猟銃を手に暗殺者たちを追いつめる。良い意味での裏切りだった。
そして、アリソンの夫であるイーサン。バーンサルさんだから悪い役なわけないのよな〜。近年のバーンサルさんが演じたキャラクターの中でもピカイチで好きでした。PTSDに苦しむ友を思い、妻と産まれてくる子供を慈しみ、自分の仕事にプライドを持っているイーサンが好きだ。だからこそ、彼にも生きていて欲しかった。灰に埋もれる彼を見たら涙を堪えるなんてできないよ。

過激な殺人表現、暴力表現はあるけど変なストレスなく見られました。これは映画館でやってるうちに見て欲しい。
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