あっつマン

カビリアの夜のあっつマンのレビュー・感想・評価

カビリアの夜(1957年製作の映画)
4.2
カビリアは不幸な生活を送りながらも、いつかは真面目な道に返ろうと望んでいた。恋人に河に突き落とされても彼女の性格は変らなかった。ワンダを除いた仲間の女達は、夢想を語るカビリアを可哀そうな気違い女として扱っていた。しかし、或る晩、カビリアの夢物語が実現する——。

Wikiには、本作が悲壮感に満ちた現実社会を客観的に描くイタリアの映画運動「ネオレアリズモ」の作品だと書いていたので、そう思って観たのだが、違ってた。

フェリーニは「道」で、「ネオレアリズモ」から脱却したと言われている。本作は脱却後の映画であり、カビリアを、演じるフェリーニの実妻ジュリエッタ・マシーナの演技は、生命力に満ち溢れている。彼女は、「道」でも、ヒロインを演じている。

なんと言うか、本作は、「ネオレアリズモ」的な救いのない、どうしようもない絶望的な現実を背景にしながら、力強く生きるカビリアを主人公にすることで、戦後の暗い時代にも負けないイタリア人の姿を描いたのだと思う。