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カビリアの夜のsonozyのレビュー・感想・評価

カビリアの夜(1957年製作の映画)
4.5
『道』同様、フェデリコ・フェリーニ、トゥリオ・ピネリ、エンニオ・フライアーノの脚本、フェリーニ監督作。
アカデミー外国語映画賞、カンヌ主演女優賞他。

カビリア(ジュリエッタ・マシーナ)は仲間と毎晩ストリートに立つ娼婦。
背も低く、容姿も娼婦っぽくないカビリアですが、高いヒールなど"それらしい"演出はなし。

自分の家も持ち、気丈に振る舞い生きているが、心の中ではいつかこんな生活を変えたいと願っている。

そんなカビリアは、カネ目当ての男に騙され川で溺れかけたり、たまたま出会った俳優とリッチなひと時を過ごすも元カノが戻ってきて浴室に隠れひとり一夜を明かしたり・・悲運の日々。

一人の男性が洞穴暮らしのホームレスの人々に施しをして廻るのに出くわしその純粋な心に打たれ、何かを感じ取るカビリア。
娼婦仲間が聖母マリア寺院に参拝するのにも付き合い、祈ってはみるもののの、自分や周囲の人々は何一つ変わらない現実に自暴自棄に。

フラリと立ち寄った劇場のマジックショーのステージで催眠術をかけられ、オスカーという男性との純粋な恋の物語の世界に入り込むカビリア。
催眠が覚めると、観客たちの見世物になっていた事に怒り、劇場を出るカビリアに、オスカー・ドノフリオという会計士をしている男が声をかける。

男性には疑心暗鬼のカビリアだが、オスカーの執拗なデートの誘いや真摯な姿勢に惹かれ、オスカーからの結婚の申し出を受け、やっと来た幸せに歓喜するのだが・・

フェリーニの伴侶・ジュリエッタ・マシーナの愛嬌&エネルギッシュ&哀愁溢れる演技力。
ラストのカメラ目線で観客に語りかけるような笑顔。読後感。

初見でしたが、素晴らしい名作ですね。
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