こたつむり

トロピック・サンダー/史上最低の作戦のこたつむりのレビュー・感想・評価

3.7
♪ Easy Do Dance  Easy Do Dance
  踊る君を見てる…

抱腹絶倒必至!戦争映画製作のパロディ!
という触れ込みで観ましたが…パロディの難しさを再認識した作品でした。何しろ、元ネタの知識を求められますからね。必然的にハードルが上がるのです。

また、製作者側にも高等技術が必要。
素材を瞬時に切り刻み、業火で炙って焦がさずに焼く…そんな神業で仕上げてほしいのです。ただ単純に“某有名映画の一場面を真似する”だけじゃあ、笑えませんからね。

そう考えると、ベン・スティラーが主演なのに前面に出てこなかったのは僥倖。彼が手掛けた『ズーランダー』でも感じましたが、彼は前面に出てくると魅力が半減するタイプ。つまり、主役と脇役の狭間にいたほうが輝くのです。

だから、作品としては彼以上の存在感が欲しいわけで(『メリーに首ったけ』で言えばキャメロン・ディアスのように)。それを担ったのがジャック・ブラック。そして、ロバート・ダウニー・Jrでした。

特にロバート・ダウニー・Jrは、劇場公開時と今では彼の立ち位置が違うため、こういう視点で捉えるのは邪道だと思いますが《トニー・スターク》がバカなことをしている…そんな気持ちで受け止めました。

だから、面白いんですよねえ。
《トニー・スターク》は傲慢な態度ですが根は真面目ですからね。彼が役者だったら徹底的にこだわる…そんな想像が過ぎるわけで。そのギャップで笑えたのです。

まあ、そんなわけで。
映画業界のパロディとして捉えるよりも配役を楽しんだ作品。鑑賞する前に予習が必要なのだとしたら(映画に予習は不要…が原則ですけど)マーベル・シネマティック・ユニバース(特に『アイアンマン』シリーズ)をオススメします。

最後に余談として。
スタッフロールまで、あの“大物俳優さん”の出演に気付いていませんでした。いやぁ。相も変わらず、僕は盆暗(ぼんくら)ですねえ。何かも説得力無し。ぐへぇ。
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