空海花

偶然と想像の空海花のレビュー・感想・評価

偶然と想像(2021年製作の映画)
4.2
今週1番楽しみだった作品⭐
期待は裏切られることなく😊


「偶然」をテーマに3つの物語が織りなされる濱口竜介初の短編集。
親友同士、教授と生徒、同窓生の対話がやがて変調し、人間の本性や人生の断片を浮かび上がらせる。
第71回ベルリン国際映画祭にて銀熊賞(審査員グランプリ)を受賞。
第22回東京フィルメックスオープニング作品にも選ばれ、観客賞を受賞。
濱口監督の『ドライブ・マイ・カー』は
ニューヨーク映画批評家賞で、作品賞を受賞し
日本でも第76回毎日映画コンクールで最多10部門ノミネート。
アカデミー賞では、国際長編映画賞のショートリストに選出されるなど続々と嬉しい報が届き続けている。
そうだ、オバマさんにも選ばれてましたね(笑)

オムニバスなので感想も少し分けてみます。
濱口監督がまず挨拶してくれます😊

第1話『魔法(よりもっと不確か)』
「偶然」のオンパレード。
偶然の出会い、偶然の過去、偶然の部下の発言、偶然の同席。
そして最悪の想像。
古川琴音の長回しの台詞に唸る。

第2話『扉は開けたままで』
偶然、意図せず教授を喜ばせたものは…
濱口メソッド?の本読みの真骨頂のように感ずるのがこの第2話。
特に渋川清彦のそれが凄くいい。
「わかりました。最低一回は●●●●します」なんてまさにだからこそ成立している。
教授役が似合うお年になったんだなと。

第3話『もう一度』
ありそうで1番ないかもしれない偶然の勘違い。
占部房子の言葉を受け止める河井青葉の安心感よ。
女性の包容力。
クライマックスの共感力にはシビれてしまった。
濱口作品は『PASSION』が出会いなので、この2人にはすごく“らしさ”を個人的に感じてしまう。

先の読めない驚きと笑い。
ありそうでない、と言ったが
起こり得ないような偶然をあり得ることのように飛躍させた巧みさと
俳優たちの演技を引き出すような脚本に吃驚する。と同時に胸が高鳴る。
本や演劇では表現できない、
映画的感覚を存分に味わえる快感。

私は本来オムニバスがあまり好きではないので『ドライブ・マイ・カー』よりスコアを下げてしまったが、
こんな軽妙な短編はいくらでも観たいかもしれない。
まだまだ作ってくれるようなので、今後も楽しみに待ちたい。


2021レビュー#215
2021鑑賞No.453/劇場鑑賞#93


まだ初週なのにパンフ売り切れ😢
しばらく張って待ちます😎(笑)

キネマ旬報シアターでは濱口監督特集します😆楽しみ❣

MerryXmas🎄💝
素敵なイヴをお過ごしください🥂
空海花

空海花