Ryoma

偶然と想像のRyomaのレビュー・感想・評価

偶然と想像(2021年製作の映画)
4.2
この監督は「会話」を「音楽」のように機能させる。
言葉と言葉がときに快く、ときに悶えながら、発せられ、連なり、流れて、ぶつかって、進んでゆく。まーさに音楽的な心地よさ。
しかしそんな「言葉たち」は、奔放な子供さながらだから、気を抜いていると、すぐに散っていってしまう。
だから監督はカメラワークや役者の動き、脚本、ショット(驚くべき目線ショットを含む!)を使って、そんな自由な「言葉たち」を統制し、指揮する。
何気ない日常が美しく静謐な音楽のように奏でられては、転調する、素晴らしき会話劇だった。
Ryoma

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