らくだ

コンティニューのらくだのレビュー・感想・評価

コンティニュー(2021年製作の映画)
4.0
「朝イチから殺し屋、戦闘ヘリの機銃掃射やカーチェイス、爆弾魔や女剣士と、ありとあらゆる物騒な連中に命を狙われ、死ぬとその日の朝に戻ってまた命を狙われる」地獄みたいなタイムループに閉じ込められた主人公・ロイが、その日の出来事を記憶しながら少しずつ生きている時間を延ばしてループから脱出しようとする…という死に覚えゲー学習型タイムループアクションです。なんだそれは

タイムループモノはいまや珍しいものではなくなりつつある一大ジャンルで、「死ぬと朝に戻る」というオプションプランももちろん同じように珍しくはないのですが、「死ぬと朝に戻る!そしてお前の命を狙うものが溢れかえって絶対に殺す」という、”死”にここまで比重を置いたタイムループモノはなかなかないんじゃないでしょうか。この主人公も敵も死に放題という基盤によって行われるアクションが、もう本当に遠慮がなくて最高なんですよね。命がひとつしかない一般的なアクション映画ではこうはいかない、というオンリーワンな景気の良さがあります。その地獄を死んでいく中でコツを覚えながらじわじわと「強くてニューゲーム」して状況を打開していくのがまた、タイムループ、そして覚えゲーの王道たる気持ち良さでそっちもしっかり押さえてくれています。大事!
そして主人公の命を狙って次々に現れる刺客たちも個性的かつ凶悪で、何度出てきてもちゃんと飽きさせない、そんな濃い味付けがうれしいですね。出てくるたびに「観音が成敗!」という様子のおかしい口上でネタキャラっぽく見せてくる中華女剣士が作中最強格なのはずるい。

ラストは賛否両論ありそうな独特の幕の下ろし方でしたが、ここまで余白を残したのはある意味では大胆でカッコいいとは思います。想像の余地が楽しいので、ぼくは「賛」寄りですね。しっかり埋めてほしかったという気持ちもありつつ…


あと、主人公・ロイを演じるフランク・グリロの肉体美とオーラが本当にすさまじくて、不意打ちではないヨーイドンで戦ったら絶対に勝てる!という厚さと頼もしさに惚れます…この男に入念に対策されたら世の中の人間は全員ザコですよ
ナオミ・ワッツも信じられないくらい美しくて腰抜かしちゃいそう…
らくだ

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