マ帆

秘密の森の、その向こうのマ帆のレビュー・感想・評価

秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)
4.7
森で自分と同じ
8歳の頃の母親に出会った少女。

タイムマシーンやデロリアンの代わりに真っ赤に染まった秋の森や木の枝でできた秘密の小屋が登場する童話のような世界。ネリー役の子、仕草にいちいち癖あって愛おしくて、『燃ゆる女の肖像』に続きまだ何も展開してない序盤からこの後起こることを思い涙が止まらなくなった、、、。

小さい時、自分はその世界のほとんどを親や家族が占めているのにその親には自分が立ち入ることのできない世界や干渉できないゾーンがあることがとてつもなく寂しく感じることがあったな〜と思い出すなどした。
ネリーの8歳という年齢設定もまた絶妙だなと思う。

そして『トムボーイ』然り、シアマ監督作に出てくる子供は1人の人間として描かれていてるから好き。相手を思いやること、適当な嘘で流さないこと。アレを言う時、お父さんの目線の高さを自分に合わせてから言うのが尊い行動すぎてボロボロになりました。
子供の頃に出会いたかった映画ってたくさんあるけど本当に出会うべきはこういう映画だったなと思う。

あと衣装や小物がめちゃくちゃ可愛い!と思ったら担当は監督とパンフにあってセリーヌ・流石にセンスの塊やろ・シアマ、、、となったんですね

73分と短い時間ながら一生忘れられない宝物のような映画でした💎
マ帆

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