じゅ

秘密の森の、その向こうのじゅのネタバレレビュー・内容・結末

秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

えも。
ネリーちゃんおばあちゃんにさよならを言えてよかったなあ。

てか8歳のお遊びでつくる劇の内容なかなかビターじゃない?俺がジャポーネだから?


ネリーの祖母が亡くなり、母マリオンと父と共に祖母の家を片付けに行く。ネリーは祖母にさよならを言えなかったことを後悔していた。一晩寝た次の朝、マリオンは独りで先に祖母の家を出て行ってしまう。
ネリーは母から、幼少の頃に祖母の家からすぐそこの森の中で小屋を作った話を聞いていた。ネリーが森へ入っていくと、折れた木を引きずる少女の姿が。運ぶのを手伝ったその先には、子供が数名入れる程度の広さの、木の枝を組んだ小屋があった。少女の名はマリオン。雨が降り出して少女の家へ駆け込むと、ネリーの祖母の家と同じ外観で同じ間取りの建物だった。
次の日からもネリーは少女と会った。少女の母で、ネリーの祖母の形見と同じ杖を持つ女性とも知り合いになった。マリオンとその母もまた、祖母を亡くしたばかりだった。祖母の名はネリー。
少女は手術を数日後に控えていた。病院へ行く前日、ネリーは自分が少女の娘であることを告げる。母マリオンの誕生日のその日、少女の家でお泊まり会をして、少女の誕生日を祝う。次の日の昼にネリーは少女の母にさよならを告げ、少女を見送る。
ネリーの祖母の家に帰ると、出て行った母の姿が。ネリーとマリオンは互いの名を呼び合う。


祖母、マリオン、ネリー、祖母、マリオン、・・・といった具合で親と子の関係がぐるぐる回ってるかんじだった。
マリオンとしては、結婚相手とか、23歳で15年前に出会った不思議な友だちそっくり(というか同一人物)な子供が産まれることとか、31歳で母が亡くなることとか、人生の要所要所の出来事を前もって知ることになるわけだけど、どんな気持ちなんだろう。
ネリー視点では、いつの未来か知らんけど孫として母親が産まれるってことか。で、その孫が8歳になったら自分は死ぬ。うーんどんな気持ちなんだろう。


ネリーは、祖母のお見舞いの帰り際かしらんけど、毎回さよならを言っていたらしい。でも、祖母が亡くなる直前の時は言わなかったらしい。そんな後悔を、新しいお友達としてのマリオンの母にさよならを言うことで清算できたんだろうな。よかった。本当によかった。胸が熱い。

家の片付けが早めに終わったから帰ろうかという話になって、クレープ作りはまた今度と父に言われたとき、ネリーは「"今度"はないかも」と言っていたか。あれはもしかしたら友だちとしてのマリオンと母としてのマリオンを重ねていて、出ていった母が帰ってこないかもしれない不安が表れていたんだろうか。マリオン帰ってきてくれてよかった。本当によかった。胸が熱い。


結局マリオンはなにゆえ出ていったんだろう。過去の自分と干渉したら云々とかそう定められた筋書きだからとか、そんなSF的思想のタイムループ系には到底見えないんだよな。
若いお母さんが云々みたいな話は丸ごとよくわかんなかった。置いとくわけにはいかないくだりであることには間違いないだろうけど、置いておかざるを得ない。

まあでも、なんにせよ戻ってきた。少女の頃に出会った友だちとしてのネリーとは本当に"今度"ってのがなかったんだろうな。だから次は戻ってきてくれたのかな。


最後は互いを名前で呼び合っていたか。友だちとしての絆を描写したんだろうか。あるいは少女だった頃から地続きの存在であることを表したとか?
これからも仲良く。クレープとか作りまくろうな。
じゅ

じゅ