おばあちゃんが亡くなったあと、彼女の住んでいた家に滞在する間に、母親が哀しみのあまり居なくなってしまい、少女は過去の母とおばあちゃんに出逢う…
なんだか「想い出のマーニー」ぽいなーと思ったら、監督がそもそもこの作品にインスパイアされて創作したらしい。道理でストーリーが似てるんですね。
娘にとって母親というのは自分を守ろうとする強い存在に見えるけれど、そんな母だって1人の人間で、弱さだって脆さだって持っている。
逆に脆さの見て取れる母だと、娘は逆に強くなろう、大人になろうとせざるを得ない。
これはコインの裏表のように、あらゆる母娘関係に影響を及ぼすもので、母親を1人の人として理解することは、自分自身を癒すだけではなく、祖母と母も含めた全ての母娘の関係を修復して癒していくものなんだろう。
もう遺伝子レベルでの癒しとでも言うのだろうか。
そんな普遍のテーマを脇においても、双子のように似た少女二人が心を通わせていくのは、単に観ていてとても可愛く、癒される。
「良い時間だった」という少女の言葉が晴れ晴れしく、慈愛と優しさに満ちていて、温かいラストだったと思う。
