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アンラッキー・セックス またはイカれたポルノのAPACHEのレビュー・感想・評価

2.7
【アンラッキー・セックスまたはイカれたポルノ 監督〈自己検閲〉版】感想

コロナ禍のブカレストの街をさまよい歩く女性エミ。名門校の教師である彼女は夫とのプライベートセックスビデオをネット上で拡散されてしまい、夜に開かれる緊急保護者会を前に、事情説明のため校長宅へ向かっていた。彼女の不安といらだちは街の人々が抱える怒りや絶望と重なりあい、猥雑で怒りをはらんだ空気が徐々に膨れ上がっていく。

ルーマニアの鬼才ラドゥ・ジューデ監督が、世界的パンデミックとその後の社会の閉塞感を背景に、人間の「性」をユーモアあふれるメッセージで描いた作品。

3部構成で笑いを加えながら、風刺を入れて進む展開で、1部の冒頭で夫婦のプライベートセックス映像が流れ、間髪入れず監督の自己検閲が入る(笑)

そこからセックス動画が拡散されたと言って女教師がフラフラ街を歩き回るんだけど、街の看板や建物を映すカメラワークがかなり謎で意味不明。

2部は、普段あまり見かけないルーマニアの様子をたっぷり見せてもらい、チャウセスク政権での映像が政治的メッセージのようではあるけど、これもなかなかの意味不明。

3部は、映像流出した女教師、校長、生徒の親が校庭に集まり話し合う会話劇で、それぞれの意見を好き勝手言い合うところが今回で一番観れたけど、これが延々と続くので、なかなかの苦痛に感じる。

そして、結末が3パターン用意されていて、それが順番に映し出されるんだけど、何とも言えないラストをむかえる。

殺人シーンはOKなのに、フェラシーンNGって字幕で吹いた(笑)

3部での話し合うシーンで登場する人たちのマスクのデザインが豊富。
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