みーゆー

明け方の若者たちのみーゆーのレビュー・感想・評価

明け方の若者たち(2021年製作の映画)
3.8
マジックアワー


ハロー、絶望。
こんなはずじゃなかったかい?

「あの時は若かったよなあ」なんて私たちはいくつになってもちょっと前のことを思い出して言うんだ。そして、いつかの未来にまた今日のことを思い出して同じセリフを繰り返す。人生って結局そんなもんなんじゃないのかなぁ。なんてことを考える。

尚人がいつだって抜群に良い。ありがとうウルトラマンタイガ。大切なことは全て君が放ってくれたししれっと側にいてくれた。「人生のマジックアワー」か。果たして私はそれがいつだったんだろう。

夜が明ける前、早く起きる時と朝方まで起きてて同じ時間帯が流れるはずなのに清々しい気分が違うのはなんでなんだろうな。ああでも、夜を越えるために、無駄な話をして飽きるまで飲んだからか、絶妙なタイミングのヤングアダルトが効いてくる。

そういうことだったのか!となるシーンからの前後が美しいくらいきっぱりと分かる。あのセリフも、あの行動も、気付けばずっとすぐ側にあったじゃないか。KIRINJIときのこ帝国にすっかり絆されてしまっていた。あの時代、やっぱり私も楽しかったんだと思う。

夢と現実の間。人生のマジックアワーの瞬間に夢を見て青春なんて一生できると思ってた。現実としては先に社会を知って、フジロックのために3日間、休みを取ることに喜びを味わう。山中崇が今作も最高に馴染む。

でもさ、そんなもんなんだよ、きっと。

青春なんて結局いつでもできるんだよな。
何を思って行動して、それを青春と呼ぶのかは自分が決めることだ。マジックアワーよ、この先も私の人生を綺麗に見せてくれ!