あおい

蒼穹のファフナー THE BEYOND 第十話・第十一話・第十二話のあおいのネタバレレビュー・内容・結末

2.0

このレビューはネタバレを含みます

総士や美羽ちゃんが頑張ってくれたおかけで平和になってよかったと思いつつも、11話あたりの大人と子供のやり取り(子供が大人達の考えを否定するシーン)が凄くあっさり終わったので……あれれれ~~?って初回見終わってビックリしてしまった。特典も沢山あったので10回ぐらい通いました。でも過去を生き抜いてきた大人達があっさり否定された印象は覆らず、そのせいもあって今までみてきたファフナーがペラペラの紙一枚みたいに思えてきてしまって、これは作り手が別人なのでは?と考えてしまうぐらいです。

エレメントの扱いも大分雑でささっと終わらせたなと思いました。操も一騎も。まず操について、コアの生き方はアルタイル降らないと覆せないってことなんですかね?死の反対は生ではなく誕生だから?絶望の中で生まれる希望が操のテーマだから?だから繰り返すの?いやいやいや、初回のキービジュアルにあった「運命に抗う」ってテーマどこいった?命繋いだ時点で抗っているけど、総士みたいにもっと見せてほしかったよ、今の操が死にたくないっていう感情の爆発からの進化を……。なんでささっと畳んじゃったのか。あと結構長い間島民とも同じ島にいたんだから、もっとみんな操のこと心配してやっていいとおもうのに、皆切り替え早いんだよね。11話の冒頭の空のシーンを20秒かけて描くなら操ちゃんに時間差いてくれたっていいのにって思った。

そして一騎のこと。総士の妹を殺してしまったことは簡単に許されることではないと思っているけど、フロロ達だって彼らの都合で総士を拐ってきたのに、一騎側の事情とか本編で全く説明されないまま終わらせたのは、なんで?なんだか物語を動かすための「壁」としての機能だけが一騎には必要とされて、そこに一騎の感情とか心の中は必要ないって言われてる気がした。削ったってことは不要ってことことだし。でもさ、もう一騎に関しては彼の内側を削りすぎて何を分からなくなってる人結構いると思うけど、このまま放置なの?総士のことを大きい総士と同一視してるって考えてる人がいるぐらいよ?ほんとに説明足りてるのか?私は一騎が総士を見る目は完全に親の目だし、同一視していたら偽島でわざわざ「知れば平和ではいられなくなる」なんて選択肢を総士に与えるような真似はしないと思ってる。けど彼の態度からしか彼の考えていることを読み取れない現状ではそう思う人がいても仕方ないなって思う。なんでこうなった?ほんと勿体ないなって思う。

あとはマレスペロとの対話も、彼の絶望は相当なものだから、もっと総士や美羽ちゃんと想いをぶつけあって混ざって生まれる何かを見れるのかなって期待していたので、総士や美羽ちゃんが「力で押しきった」感がどうしても拭えない。いや美羽ちゃんはマレスペロに共感して寄り添って頑張ったと思うけど最後反撃する力がマレスペロ側にあったら、こんなにまるくおさまっていただろうかって考えちゃうとなんかモヤモヤする。描きかたがアルタイルを手に入れた圧倒的な美羽ちゃんの「力」に焦点が当たりすぎて、どうしても「力で押しきった」感じが残ってしまっているから勿体ないなって。
それに最後に生まれ変わったマレスペロを見上げながら朔夜と輝夜が「いつかあの子ともお話しできるよ」っていっていたってことは、やっぱり今回のあれは対話じゃないってことなのかなって考えると完結なのにそこは先伸ばしなの?っていう思いが強くて凄くモヤモヤする。


改めてなんで12話構成にしたんだろ?って凄く思います。多分予算の限界だったのかもしれないけど、ここまで世界観作ってきて折角面白かったのに、何故急いで畳んだんだろう?絵や表現、angelaさんの歌も最高だっただけに終始勿体ないなって感想です。
あおい

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