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エッシャー通りの赤いポストのKUBOのレビュー・感想・評価

3.5
園子温監督最新作『エッシャー通りの赤いポスト』をマスコミ試写で鑑賞。

最新作とは言っても、コロナで『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』の撮影が延期になった時にこの企画を思いついて撮ったということだから、制作順では一個前。

園子温が、彼のワークショップに集まった新人俳優たちを使って、若い監督がオーディションで選ばれた新人俳優たちと「新作映画を作る」という程の映画を撮った。

要するに、そのまんま。

前半はその多くが無名の俳優のオーディション風景で、リアルとフィクションがオーバーラップして、とても「生々しい」!

その園子温が見出した新人たちがまたかわいい。51人全てが主人公とは言うが、それでも、

安子役の藤丸千は、クールビューティー&キレキャラ。切子役の黒河内りくは、二階堂ふみをかわいくして上白石姉妹的親しみやすさを足した感じ? 方子役のモーガン茉愛羅は、巨乳好きの園子温に谷間強調して撮られてるけど、かわいいハーフでこれから絶対出てきそう。

個人的にはメインから外れてるけど、女劇団の5人組の件が好きだったな〜。

みんな個性強くて見ていて楽しい。

ただ、後半エキストラがかんでからダレる。だいたい、こんな勢いが大事なインディーズ作品で146分は長すぎ。

特に「人生のエキストラになってもいいのか?」などと言っているが、少なくとも映画作りをしている人間が、影で映画を支えてくれているエキストラをモブキャラ扱いにして否定するのはいかがなものか? 作品中にはだいぶエキストラをいじってる箇所が見受けられるが、それが現場での監督側から見たエキストラあるあるなのかはわからないが、まじめにエキストラをしている友人もいるので、あの茶化し方はどうなのよ(?)と疑問を持った。

それでも、このワークショップにかけて集まった51人の新人たちの本気は伝わるし、メジャー作品の大人の事情に息が詰まっていた園子温が発散しているのも伝わってくる。劇中の小林監督の叫びは、きっと園子温の心の叫びでもあるのだろうな。そういう意味で、本当にリアルだ!
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