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ナマステ・ワハラ ~トラブルよ、こんにちは~のCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

4.0
【ナイジェリアのロミオとジュリエット】
Netflixには21本ものナイジェリア映画、通称ノリウッド作品が配信されている。しかし、Netflixヘビーユーザーでも中々ノリウッド作品を追っている方がいない。そこでアフリカ映画好きとしてNetflixにあるノリウッド映画全て観るマラソンを開催することにした。今回は『ナマステ・ワハラ ~トラブルよ、こんにちは~』について紹介していく。

ノリウッド作品を何本か観ていると、ナイジェリアの富裕層の生活を扱った作品が多いことに気づかされる。本作は、ナイジェリアのキャリアウーマンにフォーカスを当てた作品となっている。NGOでボランティアしながら弁護士として活動する女性ディディ(イニ・ディマ=オコジエ)。実業家の父は、娘がNGOで活動していることをよく思っていない。結婚して子どもを授かってほしいし、金になる仕事をしてほしいと願っている。そんなある日、銀行家のラジ(ルスラーン・ムムタズ)に一目惚れされる。親密になる一方でお互いの親は差別心から相手を拒絶し合う。ディディの父は、インド人を見下しており、ラジと付き合うことに難色を示している。一方、遠くから世話をしにやってきたラジの母はキャリアウーマンであるディディのことを家事のできない人と決めつけ拒絶する。「ロミオとジュリエット」の関係になってしまった二人はどうするのか?

本作が面白いところは、この王道恋愛映画の間に、裁判劇が入ることだ。ディディの父の取引先の関係者に性的暴行の容疑がかけられる。ディディは被害者の弁護をすることになるのだ。父としては大口の取引先を失いかねない。ここで親子に亀裂が入る。その亀裂に割って入るようにディディのライバルが出現し、圧倒的不利な状況で被害者を守らないといけないのだ。

『Fifty』や『恋愛プランナー』もそうだが、Netflix配信のノリウッド作品には強い女性が沢山出てくる。自分のキャリアを力強く生きる女性を頻繁に描写しており、男と対等に渡り合っている。ナイジェリア社会が欧米なんかよりも男女平等が進んでいるのか?あるいは男女不平等だからこその表象になっているかは調べる必要があるが、ノリウッドを語る上でこうした映画内の女性の強さは注目すべきであろう。

『プラダを着た悪魔』や『マイ・インターン』好きにオススメしたい作品である。
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