岩男

茜色に焼かれるの岩男のレビュー・感想・評価

茜色に焼かれる(2021年製作の映画)
4.6
凄惨なあの事件を彷彿とさせながら、社会的に弱い立場の人たちにスポットを当てている
コロナ禍に作られ、コロナ禍で公開することにもの凄く意味を感じる作品

胸糞悪く救いようがない苦境に気丈に振る舞いながらも、やり場のない怒りを淡々と抱いている母
常識がないように思われる行動をとる彼女は、周りからすると確かに意味の分からない存在なのかもしれない
"もっと声を張って叫べばいい"
"もっと往生際悪くぶつかっていい"って

人生を諦めてるわけじゃない
かと言ってハングリー精神があるって感じもしない
こんなやり切れない現代で、信念を強く持ちひたすらに生きる意味を暗中模索している姿が強く印象に残る

尾野真千子の演技が素晴らしく、尾野真千子なしでは語れない作品
中盤の居酒屋のシーンあたりで初めて自分の口で語り出すところは圧巻で強烈☹️
今年の賞レースに間違いなく絡むことになると思う👏
岩男

岩男