ナポレオン

悪い奴ほどよく眠るのナポレオンのレビュー・感想・評価

悪い奴ほどよく眠る(1960年製作の映画)
4.5
今も現実に根ざしている「汚職」という悪事がなくならないのは、真相を知る下の人間が自殺に追い込まれる構造になっているからだということがよくわかった。ラストの板倉の魂の叫びは、画面を割って出てきそうなほど悲痛。

ところでこれは私的な話だが、自分がいかに映画を”観ていない”かを実感した。というのも、この作品はシネスコを見事に活用していて、その撮影テクニックが特筆されているが、私はそれに気づかなかった。後で解説なりを読んでやっと確認できたことなので、もっと映画を勉強しないとと自戒した。ストーリーしか気にしないのであれば本で十分で、映画の魅力は画だとかショットにあるわけだから、そこを意識していけば映画がもっと魅力的で楽しいものになるはず。