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アミューズメント・パークのbackpackerのレビュー・感想・評価

アミューズメント・パーク(1973年製作の映画)
3.0
ーーー【あらすじ】ーーー
遊園地で老人が罵られ、大変な目にあう。
(公式Webサイトより抜粋)
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このシンプルすぎるあらすじに、作品の全てが詰まっています。

モダン・ゾンビの生みの親。ホラー映画の鬼才。巨匠ジョージ・A・ロメロ監督。
彼がペンシルベニア州のルーテル奉仕教会からの依頼により制作したものの、完成品を見た教会がその恐ろしさ故に上映を拒否。結果、半世紀もの長きに渡り、完全に失われた作品とされていました。
なぜルーテル教会がロメロに監督を依頼したのかについては、本作パンフレットを是非ご一読いただければと思います。


率直な感想としては、本作は、1973年に制作された映画でありながら、まったく古びれることなく、今現在社会問題となっている内容を赤裸々に描き出しています。すなわち、50年経ったにも関わらず、まるで進歩していないということなのですが……。

本作の題材は、高齢化です。
日本は急速な少子高齢化に直面し、高齢者福祉はそんな二枚看板の課題の中でも、より注力される問題とされています(票田意識は避けがたいので、当然の流れではあります)。
それでも、高齢者の苦境は依然として存在し、昨今では"孤独"をフィーチャーして取り上げることも多くなりました。

当方2021年現在20代ということもあり、本作は自らの未来の姿として眺めることとなりましたが、コレは各年代にて一度は見ておくべき映画だなと思わざるを得ません。ひとえに、大変寓意的な内容故に、自らの頭で考え、行動を顧み、反省と前進を意識させられるからでしょう。

人生・社会生活の縮図である"アミューズメント・パーク"で生きるには、数多ある困難と課題を認識したうえで、どのように立ち向かっていくか考えねばなりません。


普遍的な問題提起の率直すぎる映像化。
ある意味、ホラー映画よりよっぽど怖い、現実世界の残酷さを思い知らされる、恐怖の1時間でした。