Ryoma

夜明けの詩のRyomaのレビュー・感想・評価

夜明けの詩(2021年製作の映画)
4.3
“生と死“、“時間“、“記憶“、“思い出“、“希望“をテーマに、様々な人が抱える想いが映し出される。それと同時に語られる幻想的な詩や小説も印象的な作品。
夢などの虚構と現実の狭間で現実と向き合いながら、時には辛い現実に押し潰され現実を捻じ曲げなければ生きていけなくなってしまった人もいてみんな必死に生きているんだなと感じた。哀しみや悔恨の念を誰しも少なからず持ち、これでもかと葛藤しながら日々を生きてもいて、誰しも“影“があるんだけれど、それ故に、人に優しくできたり、寄り添ったりできるのかもなって。
filmarksもだけれど、新しい発見や気づきなどの記憶を文章や文字、言葉として綴り留めておくことはやはりいいなと改めて思った。
夜明け前の冬のソウルの街並みは、どこかノスタルジックで物悲しげで、様々な人が抱える葛藤や生きづらさが鮮明に映し出されていたことが相まって、すっかり別の街に見えた。夜のソウルの街並みのように誰しも表面上とはまた別の表情を併せ持っていて、みんな自分の葛藤や後悔、哀しみと闘って必死に生きているんだろうなと感じた。非常に静謐な物語に癒されたし、優しく寄り添ってくれるようなテンポ感とストーリーが素敵だった。
深い余韻を残してくれるラストも好き!
起伏も少なく賛否両論はありそうだけれども、個人的にはとてもよかったなと感じた。
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